川で水槽を洗う
排水と給水を同時に行っているのは生体への負担を少なくするためです。
100%換水を目標に水を入れ替える場合、100%抜いてから100%入れる、この方法がもっとも水の消費が少なくて済みます。
しかし、大きく水を抜いてから新しい水を入れると、急変化が生体を苦しめてしまいます。
以前は、 80%抜いてから80%入れるというやり方でやっていました。
ですが、以下の問題点がありました。
- 魚がパニックになる。
- 底床の環境が悪くなる。
100%換水なんてしたことない方にとっては、魚がパニックになるのは当たり前だという方もいると思います。
昔は僕も、100%換水なんて生き物への負担が大きすぎると思って絶対やりませんでしたし、急に新しい水を入れるのも良くないと思って給水を点滴式でやっていました。
要点からいうと、自然の環境に近づけてあげれば生き物の体は強いのです。
さて、雨が降ったあとの川の水質変化を想像してみます。
山に降った雨が川へ集まります。
川は常に流れています。
それでも増水するほどの雨水が上流から流れてきます。
100%換水どころではないですね。
ポイントは以下の3つです。
- 変化が連続的
- 魚は水底に隠れている
- 雨水の水質は一定
水の流れには速い所と遅い所があります。
流れの速い所の水はいち早く新しい水と置き換わり、流れの遅い所の水は少しずつ新しい水と混ざり合っていきます。
魚は流れの遅い水底に隠れ、少しずつ新しい水に順応していきます。
また、クリアウォーターの川に急にブラックウォーターが流れ込んでくることがないように、川に流れ込んでくる水の水質にはそれほど大きな変化は出ません。
水槽でも同じ状況を作ります。
水量を十分にに保ちつつ給水と排水を同時に行うことで、緩やかに新しい水に置き換えていきます。
さらに、頻繁に水道水で全換水している水槽では、再び水道水で換水を行ってもそれほど大きな変化にはならないでしょう。
80%抜いてから80% 注水するとどうなるでしょう?
残った20%の水たまりに魚は追いやられ、物陰で静かに換水をやり過ごすことが出来ません。
新しい水を注水するときは水深が浅くなっているせいで、かき混ぜてしまいやすくなります。
物理的に魚を驚かしやすいのです。
また、 水質の変化は断続的で急になってしまいます。
点滴法などで注水すれば平気かもしれませんが、低い所に置いてある水槽でないとそれも難しいと思います。
次は水草目線になってみます。
植物は葉っぱにある気孔でガス交換をします。
葉っぱにヌメリが付着して気孔が塞がったり、淀みで水が入れ替わらなくなると十分なCO2を取り込めなくなります。
植物なので自分で体を洗ったり逃げることはできません。
だから、飼育者が換水で濯いであげることが効果的になります。
自然界の水草の多くが清流に生えているのはこの為だと思います。
葉っぱは流水で綺麗に濯いで欲しいのです。
綺麗な水は光合成には都合がいいですが、肥料分の獲得は期待できません。
そのかわりに根っこでは沢山の肥料分を吸収したいところです。
僕の体感だと、土中の通水は良すぎても悪すぎても調子が上がりません。
ソイルの粒を細かくするとかそういうことではなく、水換えのたびにソイル内を掃除したりするのがよくないんです。
80%抜いてから80%注水で水換えをしていた頃、水草の調子が段々下がっていって困っていました。
よーく見ると水草に肥料不足のような兆候が出ていていました。
ソイルの層に含まれる肥料分豊かな水、根っこの周りに住む共生細菌、これらをむやみに洗い流してはいけないんだと思います。
水槽内の水量を減らさずに排水と給水を同時に行えば、 上方の水だけが上手く入れ替わってソイルの層への影響は少なく済みます。
こういう理由があって、前回の記事で書いた水換え方法をお勧めしています。
あと、僕はやたらと毎日沢山水を換えることを勧めてきましたが、そうしないといけなかった原因は我が家の水槽が小さいからかもしれません。
昨日、町田の草屋さんで水換えについて質問させて頂いたところ、60×45×45の水槽で使い込んだソイルを使っている水槽では、週一回、 油膜を吸い取るように水換えしているそうです。
とても水草の状態の良いお店です。
クリプトやブセはやたら水換えせず、大容量の水槽で安定に管理できた方が上手くいくかもしれませんね!
ぜひとも大きい水槽が欲しいところです。
うちの水槽は30キューブなんですよね。
いろんなレイアウトを作ってみたくて、90レギュラー水槽おける場所に30キューブを3つ並べました…
なかなか管理が面倒です(;^_^A
※水道から硬水の出る地域では換水時にコンディショナー等を使わないと一部の水草が上手く育たないかもしれません。その場合は水槽の水と換水用の水との水質に差が出るため工夫が必要だと思います。
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