スポンジフィルターのバクテリアと目詰まり

スポンジを洗ったときに出てくる泥

スポンジフィルターの洗い方はアピスト水槽にとって深刻な問題です。

目詰まりを放置すれば確実にアピストは病気になりますが、水槽のバランスが崩れやすいのもスポンジ掃除の直後です。

目詰まりの原因は水には溶けない、糞や枯れたコケの残骸です。

これらの泥は、目に見えるゴミとして掃除の対象になりやすいです。

水槽の中に茶色い浮泥が漂っていれば気になりますし、掃除のときに吸い出す排水が茶色く濁っていれば、よく掃除ができた気がすると思います。

しかし、人間にとって見た目が綺麗であるのと魚にとって綺麗であることは少し違うということを考えると、この泥も吸い出していいものなのか悩むことになります。

泥の中にろ過バクテリアがいっぱい住んでるんじゃない?

スポンジを絞った時に、泥と一緒にバクテリアも流れてしまってるんじゃない?

これについて、今頭の中にあることを書いてみたいと思います。

スポンジのプラスチック繊維の上にバクテリアがこびりついていると考える場合、別に泥を洗い流すくらいではバクテリアは居なくならないのではないかという結論になります。

実際、居なくなりはしませんが、確実に減ってるなと感じる出来事がつい先日ありました。

大事に育てている黄色っぽいトリファ水槽のスポンジを、そろそろ目詰まりが怖いなと思いホースで吸い掃除しました。

泥が出てきたのは、下図の矢印のところです。

スポンジフィルターの構造上、水を吸い上げるパイプの直ぐ側である①と、吸水穴の大きな②のところに泥が溜まっていました。

掃除のあと2日ぐらいでオスの鰓がダメになったようで、現在別の水槽で療養しています。

人間に例えると肺炎のような状態ですので、見た目にはただ呼吸が速くなってるだけですが非常に危険な状態です。

鰓に炎症を引き起こした原因は、やはりアンモニアだと思います。

スポンジ掃除のせいでろ過能力が低下し、アンモニアが分解されずに残り、もともとメスに虐められて体力の落ちていたオスが病気になりました。

pHを計ってみると7.8でした。

普段その水槽は7.2~7.5くらいです。

水道水のpHが7.5くらいだと把握しているので、7.5以上はろ過の効いていない状態であることが疑われます。

スポンジ掃除のせいでろ過能力が低下したことは間違えないです。

フィルターの泥にもろ過バクテリアは住んでいて、それを取り除きすぎるとろ過能力は落ちます。

スポンジの洗い方

スポンジの泥をホースで水と一緒に吸い出すというやり方は、スポンジをもみ洗いするよりもいいと信頼できるアピスト屋さんで教わった方法です。

スポンジのもみ洗いについて、僕はブセファランドラのマット売りと同じだと解釈しています。

下図の左が良い採り方で、右が悪い採り方です。

左の間引くような採り方の方が、抜けた穴を速く再生できるのが分かるかと思います。

右の採り方だと、元の範囲まで群生を拡大するのが難しくなります。

種を飛ばすか、徐々に左に進展していくしかありません。

これと同じことがスポンジ内のろ過バクテリアでも起きていると思います。

もみ洗いのような強い力でスポンジを洗ってしまうと、バクテリアがごっそりえぐられてしまい、そこにまたバクテリアが定着し始めるのに時間がかかってしまいます。

バクテリアの定着範囲と餌の量の関係

泥を吸い出したぐらいでこれほど深刻なダメージが出たのには、関係する理由が他にもあると思っています。

今回トラブルが起きた水槽は、餌の量が少ない水槽でした。

餌の量が少ないとろ過バクテリアの量も少ないはずです。

スポンジ全体の表面積の30%ぐらいにろ過バクテリアが付着していたとします。

しかも、その30%のうち半分がスポンジに溜まった泥の中に住んでいたとします。

それだったら、泥を吸い出したりしたなら一時的にバクテリアが足りなくなるのも頷けるのではないでしょうか。

また、スポンジの中で最も濾過バクテリアが活発に殖えやすいのは水流の多い場所ですよね。

これは、先ほど図にした、スポンジの中で目詰まりのしやすい部位と被っています。

最も泥の溜まりやすい場所に最もバクテリアが集中するので、泥にはバクテリアが沢山含まれているはずです。

ろ過バクテリアの割合を大きく減らすことなくスポンジを掃除するにはどうすれば良いのかというと、バクテリアの総量を増やすしかないと思います。

スポンジの表面積の大部分をろ過バクテリアで満たし、赤枠で囲った、目詰まりのしづらい部位にもろ過バクテリアを住まわせることで、スポンジ掃除の影響を緩和できると現在考えています。

しかし、餌とろ過バクテリアを増やすと、pHの低下や泥の蓄積など、水槽環境の変化も早くなるんですよね。

あまりにも早い変化は、浮上後一か月以内の稚魚はもちろんのこと、親魚の発色にも影響します。

ここが難しいところで、水槽の大きさ、ろ過面積の広さ、浮草の量、魚の量、水流、水温、浮泥の掃除頻度や掃除方法などを、実際に試行錯誤しながらバランスをとっていくことになります。

ろ過面積を十分にろ過バクテリアで埋め尽くすことにはもう一つメリットがあり、雑菌を締め出す効果があります。

食品の発酵と似ていますよね(笑)

これにより、多少の目詰まりぐらいでは病気が出なくなるような気がします。

餌とろ過バクテリアの少ない水槽の方が、短いスパンで目詰まりと穴あき病が発生しています

外部フィルターの話になってしまいますが、YouTubeのkamihatainfoで、エーハイムアンバサダーさんが濾材の量について解説してくれている動画があるのでそちらをお勧めします。

「濾材を減らした方がいい」と聞いてピンとこない方は是非ご覧ください。

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