餌をあげる (page 2)
食べ残した餌には病原菌が発生するのか?
生きた生物には免疫が備わっているので、腐敗に関わる細菌のうち病原菌となるのは、その免疫に対抗できる種類(グラム陰性菌など)のようです。
食品の腐敗に関する文献を参照したところ、フラボバクテリウム属とシュードモナス属は、食品の腐敗において観測されるそうです。
タンパク質を餌とする細菌は魚体のタンパク質も食べ、黄色く変色した葉っぱを分解する細菌は植物本体も分解してしまうというのが勉強前の見解でした。
「生体と同質な物質の腐敗は病気に繋がる。」という経験則です。
厳密には正確ではないようですが、餌の食べ残しや死骸の除去、傷んだ葉っぱや茎のトリミングが重要であることは間違いないです。
餌の食べ残しはなぜ有害なのか?
餌の腐敗では2つのことが起こります。
- 多様な腐敗菌の増殖
- 多様な有毒物質の生成
先程書いたように、腐敗菌の多くは生きた細胞に感染する能力を持ちません。
しかし、細胞が感染せずとも、エラの表面や腸内で繁殖し、毒素を作ると困ります。
雑菌の多い飼育水に晒された魚は、粘液の分泌量を増やして体表やエラに付いた異物を落とそうとしますが、それには限界があります。
また、魚の体力も徐々に消耗していくでしょう。
腐敗した餌から飼育水に溶け出した有毒物質がエラや内臓を傷つけることも考えられます。
参考文献
- 林 誠, 食衛誌. Vol. 11, No. 6(1970)12月, 食品と腐敗-主として腐敗アミンの消長を中心とした魚介類の腐敗機構-, url: https://www.jstage.jst.go.jp/article/shokueishi1960/11/6/11_6_429/_pdf
- 病院検索ホスピタ, グラム陽性球菌, 閲覧日2023/04/23, url: https://www.hospita.jp/disease/2682
- MSDマニュアル 家庭版, グラム陰性細菌の概要, 閲覧日2023/04/22, url: https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/16-%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87/%E7%B4%B0%E8%8F%8C%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87%EF%BC%9A%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0%E9%99%B0%E6%80%A7%E7%B4%B0%E8%8F%8C/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0%E9%99%B0%E6%80%A7%E7%B4%B0%E8%8F%8C%E3%81%AE%E6%A6%82%E8%A6%81