水を換える

なぜ水換えをしないといけないのか?

水換えは引き算の作業だとよく言われます。

足し算の作業は餌やりや追肥、足し水などです。

水換えによって取り除きたい対象は、

  • 代謝産物
  • ミネラル
  • 微生物や細菌

の余剰分です。

代謝産物の排出

魚の出すアンモニアはろ過バクテリアによって硝酸塩に酸化されて弱毒化します。

硝酸塩に弱毒化されても、水槽内に蓄積し続けると飼育水のpHを下げ、コケの栄養素にもなるので適度に排出する必要があります。

また、ろ過バクテリアの働きが弱い水槽であっても、アンモニアを直接排出してしまう手段として換水は有効です。

アンモニアや硝酸塩の他にも、様々な代謝物質や有害物質は蓄積しているはずなので、換水で薄めてやることでトラブルを防ぎます。

蓄積したミネラルの排出

水槽の水は絶えず蒸発して減っていってるので、1週間ほど経つといつの間にか水位が下がっています。

水位が下がった分、水を入れて水位を上げることを「足し水」と言います。

足し水で水道水を使っていると、水道水に含まれるミネラル分が蓄積し続けることになります。

弱酸性の軟水を好む水草などは硬度が高い状態を嫌がります。

状況に応じて、ミネラル分も換水によって薄めてあげる必要があります。

水道水

殖えすぎた微生物の排出

魚を飼育する水槽内は、適度な暖かさや水分、養分が豊富です。

このような環境下では様々な細菌が繁殖します。

換水においては、それぞれの細菌の種類についてはあまり気にせず、次の2つのことを意識するのが重要です。

  • 善玉菌と悪玉菌のバランス
  • 細菌の量

テレビなどで見かける、人間の腸内環境の説明と同じですね。

腸内細菌のイラスト

病原菌を抑制するために、ろ過バクテリアや植物プランクトンのような善玉菌が優位な状態を保たなくてはなりませんが、善玉菌も増えすぎると自滅し始めます(同種間で餌を取り合ったり、競合するため)。

判断の難しい部分ですが、微生物が増えすぎた時には換水などで微生物の量を減らしましょう。

また、悪玉菌が優位の場合も、飼育魚が死んでしまわないように換水で悪玉菌を減らしましょう。

悪玉菌は嫌気性環境(酸素の行き届かない環境)や餌の腐敗で発生しやすいです。

水換えだけでなく、餌の量やフィルターの環境を見直すことも、善玉菌と悪玉菌のバランスをとるためには重要になります。

淡水魚の飼い方 基礎編↩

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